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里おじさん活動普及促進委員会(非正規雇用のおっさんのブログ)

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黄色い椿


八千代伝の八木酒造の「黄色い椿」です。

このネーミングの由来の物語、映画のワンシーンのような風景が浮かびますね。

裏ラベルの能書きです。
おいらが知っている焼酎の中でここまで能書きの長い裏ラベルは知りません。
でも、内容は感動ものです。

「黄色い椿」という名は、先代の短歌集からとった。
学徒出陣で大陸の中国戦線に参戦した先代は、強烈な平和主義者だった。
戦争を起こすのは、「人間として本質の部分だろう」と言いながら、「これからの平和な時代を築くのは、あなた達の大切な指名ではないか。何をしおるか。」と若者を叱った。
短歌集で自らの戦争体験を語りながら、反戦への思いは人一倍強かった。

そのひとつに「銃声たえ 夏草繁る広西(カンシー)に 黄色い椿を 探していたり」がある。
探していた黄色い椿は、先代の中で平和の象徴であり人への優しさや思いやりだったのだろう。
20年程前「金花茶」という名の黄色い椿が先代の花園に植えられた。
その時の嬉しそうな顔を忘れない。
昔日の広西の黄色い椿は、探し出せたのかどうか聞きそびれたけれど、思いは大陸へとんでいったことだろう。
黄こうじで仕込んだこの春の限定焼酎を「黄色い椿」と名づけて、平和であることを祈り、そして全ての人の生が幸せであることを願う。
そしてすべての人の生が幸せであることを願う。
この焼酎で、先代と蔵人の思いを伝えることができたらいいと思う。
これから毎年の春にこの「黄色い椿」を蔵出しできるよう精魂を傾けたい。
世の平穏と安寧の証として。



名文だと思います。

確か、レマルクの「西部戦線異状なし」でも、主人公が最後に野に咲く花に手を伸ばしたところを狙撃されて終わったと思いましたが、そんな場面を思い出します。

この裏ラベルを読みながら、遠く中国に思いをはせたいですね。

黄麹と黄色の椿をかけてあるのも、ナイスです。

黄麹の焼酎は、フルーティな感じで、味の輪郭は、白麹と黒麹の間の重さは位置づけられることが多いです。

黄麹は、日本酒の麹です。
クエン酸があまりできないので、温度管理をしっかりしないと、腐敗してしまいます。
江戸時代、明治時代は焼酎作りも黄麹がメインだったようですね。

味の追求のために泡盛で使っていた黒麹ではなく、生産管理上の要請から、黄麹から黒麹に替わったようです。

黄麹の焼酎といえば、富乃宝山や極めの黄が有名ですし、さつま司やさつま小鶴にも黄麹の焼酎があります。

水割り・ロックの方が美味しいようですが、この黄色い椿はお湯割も美味しいです。

使用している芋は、黄金千貫ではなく、安納芋のようです。
この芋には、黄麹が合うのかなぁ。

うん、飲みやすく、かつ美味しい焼酎だと思います。

キレがあって、ライトテイストの焼酎なので、芋焼酎が苦手な方にも飲んでいただきやすいと思います。
でも、減圧蒸留のような変に飲み手に媚びたところは感じません。

常圧蒸留だと思いますが。

評価は、やはり、裏ラベルの物語に感動して飲む雰囲気が少々プラスされて、☆☆☆☆★ですね。

【製造元:八木酒造合名會社猿ヶ城蒸留所】
【原料:さつまいも(安納芋)】
【麹:米麹(黄麹)】
【蒸留:常圧蒸留】
【アルコール度数:25度】


八千代伝 黄色い椿1800ml【楽ギフ_包装】


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